消費者とサービス業の架け橋・事業経営とサービス
 
 
サービス業の品質と神髄
 
 
 
サービス業で大切なことは「お客様に気に入っていただこう!」ではない
無店舗における顧客サービスの品質評価は、事業者側の一方的な推測から始まる
有店舗における顧客サービスは難しい!それは、顧客は商品や価格以外も評価の対象だから・・
見習社員や研修生を接客の舞台に立たせる会社やお店の不可解
見習社員と小さな会社の経営者では、どちらが勝つ?
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サービス業で大切なことは「お客様に気に入っていただこう!」ではない
   
サービス業では、当然のように「気に入っていただこう!」と言う意識でお客様対応しています。

不思議なもので、気に入っていただこうと考えて行動すると「上手に対応しよう!」とか、「カッコよく対応しよう!」などと考えてしまいます。

このような考えでお客様対応をしたとき、ときどきお客様との位置関係を間違えてしまいます。

特にミスしたときは、急いで繕おうとします。穴埋めを考えてしまうのです。

すると、そのとき、お客様は自分が脇に置かれていることに気が付きます。

そもそも、サービス業では「お客様に気に入っていただこう!」ではないのです。

では、どうすれば?

「気に入っていただこう!」ではなく、「お客様に嫌な思いをさせないようにしよう!」なのです。

「お客様に嫌な思いをさせないようにしよう!」と言う意識でお客様対応をするときは、お客様が受ける感情を考えるようになります。

態度も言葉使いも考えるようになります。

「お客様に嫌な思いをさせないようにしよう!」だからです。

お客様は自分のことを意識してくれていることに気が付きます。
いわゆる心理学で言う「承認」です。

「気に入っていただこう!」と言う考えは、事業者側が主導しています。

しかし、「お客様に嫌な思いをさせないようにしよう!」と考えれば、お客様が主役になることができるのです。
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無店舗における顧客サービスの品質評価は、事業者側の一方的な推測から始まる
   
無店舗の顧客サービスの評価の特徴は、顧客の評価が届かず事業者に集中していることです。

無店舗における事業では、顧客の評価を事業者が一方的に推測して事業展開します。
それをマーケティング、事業計画などと言います。

顧客サービスの評価の推測が事業者側に集中する傾向がありますから、特に事業者側の資質が重要になってきます。
そのため、無店舗における商売では、事業者側の資質や力量が経営の成果を決定付ける傾向が強くなります。

顧客サービスの評価が事業者側に集中していることは、事業者側にとっては運営がとても容易になりますし、事業者側の実行力がそのまま成果に反映される利点があります。
このことは、実行したことの成果を確認しながら事業展開できる面白さがあります。
しかし、事業者側の論理での事業展開ですので期待通りに顧客サービスの評価が高くならない場合が出てきます。


無店舗には、大きく顧客と事業者が全く顔を合わせないネットショップがあり、事業者側が出向いて顧客と対面する訪問販売があります。
法律では「特定商取引」と呼んでいます。

ネットショップでは、顧客は事業者側の視線が気になりませんから商品の比較が容易になり、同じ品質の商品であれば必然的に価格の比較をすることになります。
結果、ネットショップにおける顧客サービスの評価は商品の価格や配送料などが重要な位置を占めることになります。
配達の迅速性も重要な評価の対象です。

訪問販売では、顧客と対面する人間が顧客サービスの評価の対象になることは言うまでもありません。
事前の広告宣伝で業者を選定し、顧客と対面する人物評価が中心になります。
顧客サービスの決定的な評価は、対面した事業者側の担当者の顧客対応が重要になります。

無店舗商売では、事業者側の一方的な評価の推測で事業が展開される傾向があります。
そのため事業を展開しても成功する確率が極端に低くなってしまうのです。
顧客の意を介さない推測の評価だからです。

でも、当たれば・・・大きい!
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有店舗における顧客サービスは難しい!それは、顧客は商品や価格以外も評価の対象だから・・
   
顧客サービスの評価は、商品の品質や価格以外にも多くの要素が評価の対象になります。

有店舗の場合、事業者や従業員の行為や行動はもちろんですが、それ以外にも建物や空気感など顧客が体感できるあらゆる事象が評価する要素になります。
顧客は、商品の品質や価格などの直接的な評価以外の要素も評価の対象になると言うことです。

例えば、事業者側が高品質な顧客サービスで対応していたとしても、顧客がほんの小さな不備を見つけたときは期待する高品質の評価が崩壊してしまいます。
事業者が行っている顧客サービスを著しく低く評価されてしまう危険性があることです。

そのため、有店舗の場合は、顧客が体感できる全てにおいて総合的に品質を高める必要があります。
このことは、有店舗において顧客サービスを高めることが容易でないことを理解できます。

さらに有店舗における難しさは、一定時間顧客が店舗内或いは店舗周辺にとどまっていることです。
飲食店であれば、待ち時間、食事の時間などにおける居心地の良否が評価を決定付けます。

さらに言えば、郊外のファミレスであれば、駐車場への進入のし易さ、駐車場の整備状況などが評価されることになります。
敷地内に雑草が茂っていれば厨房内の衛生度の低さを推測してしまいます。

また、有店舗の場合、開業時の投資が比較的高額になります。
投資金額を抑えるために、顧客サービスの評価要素の品質が低下することも頻繁に起こります。

そこにもって、顧客と接する部分を賃金がいちばん安価な従業員に担わせるとすれば、すでに顧客サービスを意識していない経営者と言わざるを得ません。
いわゆる、顧客の存在を意識しない自己満足の経営者です。
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見習社員や研修生を接客の舞台に立たせる会社やお店の不可解
   
高校生、大学生が卒業して新社会人になります。
早いところでは、3月の中旬ころから見習社員や研修生と称して現場見習いをする会社やお店もでてきます。

商売は、お客様の存在があって成立します。
そして、お客様との人間関係が事業の成果を大きく左右することもあります。
そのように考え、意識すると、軽薄なお客様第一主義ではなく、「お客様中心主義」が必要であることは言うまでもありません。

ところが、いつも不思議に思うのは、見習社員や研修生をお客様と接する場面に出してしまうことです。
見習社員や研修生を現場で実践させるのが教育の近道かも知れませんが、顧客軽視も甚だしいと思います。
見習社員や研修生の教育は、お客様に見えないところで行うべきで、会社やお店の間違った勇気ある行動には驚いてしまいます。

大きな会社や、特に小売業などでは、「ロス率」と言う考え方があります。
「2、3%は仕方がない!」と言う考え方です。
その2、3%のロスを無くすためには、80~90%の費用や労力が必要になるからです。

で、商品を大量に生産したときは、相応の不良品が発生します。
そして、流通過程でも、2、3%の破損が生じます。

さらに、お店に陳列しておけば、2、3%が紛失(窃盗、万引きなど)します。
ですから、1000個の商品を販売しようとすれば、130個とか、140個とかを生産するのです。

その考えに従えば、2、3%のお客様に見放されたとしても何も問題はありません。
それよりも、現場で見習社員や研修生を実地で教育するほうが重要です。
消費者が軽薄に扱われていることは明白ですが、これが大きな会社やお店の経営です。

事業規模が小さな会社は「お客様中心主義」を確実に実践しないとお客様に見放されてしまいます。それは、事業規模が小さな会社が大きな会社やお店と競って勝てるのは、事業経営の最高責任者である経営者が直接お客様と対応できることだからです。

事業規模が小さな会社やお店で、見習社員を使って接客させるのは、最初から経営を放棄していることと同じです。
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見習社員と小さな会社の経営者では、どちらが勝つ?
   
商品やサービスは、そのまま販売すると同業者との安価競争をすることになります。
その安価競争では、大きな会社が勝ち、事業規模が小さな会社が敗北することが通常です。

それは、大きな会社は、事業規模が大きく、人材や資金力も豊富で、小さな会社はその足元にも及ばないからです。
しかし、事業規模が小さな会社が大きな会社にすべてにおいて負けるわけではありません。
事業規模が小さな会社にはできて、大きな会社にできないことがあるからです。

皆様もご存じのように、大きな会社では、お客様と接する場にいちばん賃金が安い初心者を配置します。
ひどいときには、胸に「見習い中」と表示してまでもお客様と対応させています。

これは、お客様を愚弄する最低の顧客対応ですが、大きな会社ではほとんど気にしていません。
それは、大きな会社は、ほとんどの場合大量のお客様を相手にしているために、ここのお客様の感情の変化を気にしていたら効率的に業務の遂行ができなくなってしまうからです。

通常、事業規模が小さな会社では、経営者自身が顧客対応をします。
全てにおいて責任を負うべき経営者が対応をするのですから、お客様の要望に対して臨機応変に対策を講じることができます。

上司や会社を気にしながら仕事をしている従業員とは大違いの事業規模が小さな会社の経営者の顧客対応品質です。

ただ、ここで問題になるのは、事業規模が小さな会社の経営者の資質やレベルです。
大きな会社の従業員の真似をしているようなレベルで顧客対応をしていたら、当然のように大きな会社に負けてしまいます。
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