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産業革命以降、機械化の急激な進歩は製品の大量生産が可能にしました。
そして、大量生産が可能になると、自由資本主義の競争が激しくなってきます。
機械化を進め、さらに大量の労働者を確保して競争に打ち勝つ方向に向かいます。
そこには、資本の増強が必要で、経営者はどんどん投資して事業を拡大していきます。
日本では、明治初期から第二次世界大戦までの期間です。
これの期間を「財閥社会」と言います。
資本と経営が一体化し、販路を日本だけでなく海外にまで拡げるようになります。
資本と経営が一体になった財閥企業が中心の社会です。
日本では、第二次世界大戦の終結で、進駐軍の強制的な財閥解体により財閥社会は一旦崩壊します。
財閥解体は、資本と経営を分離させることで実行されます。
ちなみに、お隣の韓国はちょうど「財閥社会」の最盛期で、少し歪が生じ始めています。
強制的な財閥解体の機運が高まらないからです。
財閥社会は、国内には弊害もありますが、海外との経済競争などにおいては有利な点もあります。
しかし、財閥社会は遠からず崩壊し、資本と経営が分離されることになってきます。
財閥社会における強権的な事業経営が労働者の反感を高めるからです。
日本は敗戦によって財閥社会がいったん崩壊しました。
いわゆる欧米的な資本主義、資本と経営の分離です。
この資本と経営の分離が進むことによって、今度は「階級社会」が生まれます。
この階級社会では、大きく資本家と労働者に分かれます。
経営者は資本家に雇われる形になりますから、労働者と同じ立場です。
雇われ社長です。
職位が社長や会長と言うだけであって、係長や課長などと階級的には同じです。
平社員や契約社員と、収入や責任の程度が違うだけで階級的には同じです。
雇われている経営者は、業績悪化などで資本家に嫌われたら即刻クビになります。
経営者が不祥事を起こした場合も同じです。
これが階級社会です。
大きく資本家と労働者という2極分化です。
資本家は、10億円、100億円単位の資金を平然と移動させ、利ザヤや配当を得ています。
労働者は、企業の利益創出のために日々奔走します。
資本家への配当確保のために、労働者の賃金は抑えられます。
労働力が不足すれば、長時間労働を強いり、それが叶わないときは外国人を積極的に採用します。
資本家にとっては、誰がどのように働こうとも関係がないことだからです。
昨今では、日本の知られた企業でも外国人の経営者が登用されています。
合理的でシビアに利益を創出する経営者だからです。
資本家は、基本的に現場の粗相に責任を負いません。
価値が低下する前に資本を有利な場所に移動してしまえばいいのです。
このような「階級社会」が、今の日本のようです。
あなたは、この「階級社会」をどのように乗り切りますか?
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